じんましん|かじもと皮膚科医院 大阪市住吉区あびこ駅3分

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じんましん

じんましんとは

赤みを持った皮膚のふくらみ(膨疹)がとつぜん皮膚に生じる病気です。かゆみがあることが多いので、特に慢性蕁麻疹の患者さんにとってはつらい病気です。

蕁麻疹の斑点は、突然出現し、数分~24時間以内に突然消失していきます。しかし、一度消えた斑点が、またすぐに出現することもあります。診察時には症状が消えてしまっていることもあるため、症状があらわれたときに写真を撮っておくと診断の手助けとなります。

じんましん 症例1
じんましん 症例2

じんましんを引き起こす原因

じんましんを引き起こす原因

じんましんは、主にヒスタミンと呼ばれる物質によりおこります。何らかの刺激で皮膚のマスト細胞という細胞からヒスタミンが放出されると、血管への作用により膨疹やかゆみをおこします。
じんましんは、全人口の約15%は一生に一度ぐらい経験するといわれています。

じんましんの病型

①特発性じんましん

じんましんの多くは自発的に症状が現れる「特発性じんましん」で、ほとんど原因はわかりません。症状が現れてから1か月以内のものを急性じんましん、それ以上の期間のものを慢性じんましんと呼びます。

②刺激誘発型のじんましん

その他、特定の刺激に反応して現れるタイプのじんましんもあります。

  • アレルギー性じんましん:特定の食品、薬品、植物(ゴムなど)にさらされるとおこる。
  • 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー:特定の食品接種後2~3時間以内で運動が加わると起こる。痛み止めの飲み薬で悪化しやすい。
  • 非アレルギー性じんましん:厳密なアレルギーの機序を介さず起こるもの。造影剤の注射や豚肉、サバ、タケノコなど
  • アスピリンじんましん:アスピリンをはじめとする痛み止めの内服・注射により起こる。
  • 物理性じんましん:皮膚表面の機械的擦過、寒冷暴露、日光照射、温熱、圧迫、水との接触、振動により出るもの。
  • コリン性じんましん:入浴、運動、精神的緊張などの発汗刺激で起こる。
  • 接触じんましん:皮膚、粘膜が特定の物質と接触するとその部位にじんましんが出る。

③血管性浮腫

顔とくに口唇、まぶたにおこりやすいもので、必ずしもかゆみはなく2~3日続くこともある。

④じんましん関連疾患

じんましん様血管炎、色素性じんましんなど。

日常生活で気を付けること

じんましんを引き起こす背景は多岐にわたっており、「これを行えば大丈夫」というものはありません。患者さんによっては下記にあげるようなもので悪化することもありますので、それが疑われる場合は悪化因子を除去することも考えます。

じんましんの病態に関与する因子

1.直接的誘因(主として外因性、一過性)

  • 1)外来抗原
  • 2)物理的刺激
  • 3)発汗性劇
  • 4)食物:食物抗原、食品中のヒスタミン、仮性アレルゲン(タケノコ、もち、香辛料など)、食品添加物(防腐剤、人工色素)、サリチル酸
  • 5)薬剤:抗原、造影剤、NSAIDs、防腐剤、コハク酸エステルなど
  • 6)運動

2.背景因子

  • 1)感作(特異的IgE)
  • 2)感染
  • 3)疲労・ストレス
  • 4)食物:抗原以外の上記成分
  • 5)薬剤:アスピリン、その他のNSAIDs(食物依存性運動誘発性アナフィラキシー)、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(血管性浮腫)など
  • 6)IgEまたは更親和性IgE受容体に対する自己抗体
  • 7)基礎疾患:膠原病および類縁疾患(SLE、シェーグレン症候群など)、造血性疾患、遺伝的欠損など(結成C1-INH活性が低下)、血清病、その他の内臓疾患など日内変動(特発性のじんましんは夕方~夜にかけて悪化しやすい)

(日本皮膚科学会ガイドライン 蕁麻疹診療ガイドライン2018
日皮会誌:128(12).2503-2624, 2018(平成30) )

じんましんの主な治療

じんましんの治療は、特定の刺激に反応してあらわれるタイプの場合には原因となる刺激を避けること、自発的に症状があらわれるタイプの場合には抗ヒスタミン薬などの薬物療法が中心となります。
しばらく続けることによって治ることが多く、原因不明だからといってあきらめずしっかりと治療することが大切です。
最初は眠気の少ない抗ヒスタミン剤から開始し、効果が乏しければ変更したり、ほかの薬剤を追加したりします。
まず最初の目標は、内服薬を継続することにより完全に症状がみられなくなることです。治療効果があらわれるのに3~4日かかることもありますが、つづけることで出にくくなることもあり、内服を続けたうえで判断します。それでも改善のない場合、治療をステップアップします。症状が出ない状態が続けば、1つずつ減らしていきます。
症状が出ない状態になるためには、一般的に発症後2か月以内であれば1か月、それ以上であれば2か月以上の治療が必要とされています。
少しずつ内服量を減らし、3日に1回ぐらいまでお薬の間隔をあけても症状が出ない状態になれば、頓服に切り替えることを考えます。
あせらず根気よく治療することが大切です。